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尼歌集
武庫営業所(バス停)
第71回 2023/12/10
尼崎の北西、西武庫公園(交通公園)の近くにあるバス停「武庫営業所」は、五つの路線の終着点となっている。一九六三年、武庫豊町三丁目に交通局の武庫営業所として開設され、現在は阪神バスの営業所となっている。
四季折々の花を楽しむことができる西武庫公園。その横を、吐く息も白くなる師走、枯葉舞い散る道をバスが走り去る姿を眺める様子を詠んだ、浪漫を感じる短歌。木枯らしが吹く外とは違い、暖かいバスの窓は曇り、窓に映る乗客の笑顔も白く見える情景がうかがえる。
「バスの駅」の折句。
走り行く 姿を追えば 乗る人の
笑顔も白く 清き冬かな
尼崎の森中央緑地
第72回 2023/12/31
兵庫県立尼崎の森中央緑地は尼崎の臨海部にあり、「尼崎二十一世紀の森構想」の拠点として平成十八年に開園した緑地公園。
製鉄工場跡地の埋立地に尼崎周辺の山や草原からタネを取り、苗木を育てて森に十六万本植樹している。百年かけて森と水と人が共生する森を作っている。
森の散策、生き物の観察だけでなく、広い芝生や遊具で思い切り遊んだり、茅葺民家で昔遊びを体験したりできる施設となっている。
素敵な森の将来に想いを馳せて詠んだ短歌。
「尼の森」の折句。
あの頃に 蒔いた種から 後の世の
森の木陰の リスの微笑み
尼崎センタープール前駅
第73回 2024/1/25
尼崎センタープールは水泳用のプールではなく競艇場の競走池。尼崎センタープール前駅はそこへの来場者用に阪神電鉄が一九五二年に臨時駅として開業、その十一年後に常設化した。
賭け事の常として、負けを思い出し寝られない夜を過ごしてもまた「次は負けない」と訪れてしまう、人の一種の愚かさを詠んだ短歌。
各句の頭文字が「船の町」の折句となっている。
振り返り 寝られぬ夜の 後の日も
負けはせぬ身と 誓ふ世の常
「ひと咲き まち咲き あまがさき」
第74回 2024/2/10
あまがさき
まふはなかぜに
かすみつつ
さりゆくひびの
きみのおもかけ
某所と歌の解説
「あつまれ!あまびとたち!」
第75回 2024/2/25
あつまれる
まれひとたちの
あまきねに
ひとときかほる
たちはなのしろ
某所と歌の解説
尼崎市公設地方卸売市場
第76回 2024/3/25
新たな日 鮮やかな目に 懐かしき
野里の果の 菜の花の園
JR尼崎駅から徒歩十五分、潮江四丁目にある尼崎市公設地方卸売市場は、毎月第一土曜日の八時〜十一時に一般市場フェアーが開催されている。先着四百名が仕入れ体験や飲食コーナー、フリーマケットなどを楽しむ事ができる。将来食の大切さや、生産者への感謝の気持ちを感じ、将来卸売市場での活躍してもらいたいという希望も込められている。
春は旅立ちの季節。懐かしい菜の花が咲き乱れる景色を思い出しながら詠む。
「新〜」「鮮〜」「ナつか〜」「野〜」「菜〜」で市場に集まる「新鮮な野菜」を表している。
尼崎某所
第67回 2023/10/10
短歌や俳句
都々逸など
某所と歌の解説
尼崎某所
第68回 2023/10/25
某所と歌の解説
短歌や俳句
都々逸など
尼崎某所
第69回 2023/11/10
短歌や俳句
都々逸など
某所と歌の解説
尼崎某所
第70回 2023/11/25
短歌や俳句
都々逸など
某所と歌の解説
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